7月11日の総務省の発表では、参院選の10代(18~19歳)の投票率は45.45%。(総務省)
内訳は18歳が51.17%、19歳が39.66%。
これは「各都道府県から標準的な投票率を示す市区町村を抽出し調査した」
という結果です。
総務省は18~19歳全員の投票率も約1カ月かけて調べるとのこと。
発表は8月11日前後と言ったところでしょうか。
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投票率45.45%は低い?
まず過去の参院選の20代の投票率を見てみましょう。
(資料)明るい選挙推進協会
グラフを見て分かる通り20代は30%辺りで推移しています。
この結果だけ見ると、少なくとも過去の20代よりは良い投票率と言えます。
45%は30代の水準ですね。
大手ニュースサイトなどは全体の確定基準より低いことを目立たせて取り上げていますが、
若い世代にしては予想以上のいい結果が出たと、個人的には感じています。
そもそも10代の投票率と全体の確定基準の比較結果を
記事の見出しに載せる必要があるのか疑問に感じます。
過去の年代別の投票率(特に20代)を見れば、
10代の投票率が全体よりずっと低くなるだろうことは
目に見えて分かることです。
また投開票が2016年7月3日に行われた福岡県うきは市長選。
18歳、19歳の投票率は38.38%。(全体の投票率は56.10%)
参院選はこの投票率よりも7%増です。
「過去の20代投票率を上回る好調なスタート!」
と取り上げて、
・今回選挙に行かなかった10代、20代
・次の選挙で新たに選挙権を取得する10代
に対して刺激を与える記事にしてもいいのではないでしょうか?
投票率の国際比較
日本の投票率は海外と比べてどうなっているのでしょうか?
次のグラフは投票率の国際比較です。
G20のうち10カ国のみを表示していますが、
その中でも2016年の日本は下から2番目です。
2012年から下落しています。
2016年2月12日時点での日本の投票率は191カ国中153位。※
世界的に見ても低い水準と言わざるを得ないようです。
※資料:GLOBAL NOTE 出典:IDEA。この順位は投票が義務(強制)の国も含みます。
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若者の投票率は世界的に見てどうなのか?
詳細なデータの発見には至っていませんが、
次の年齢別投票率格差というグラフがありました。
(出所)社会実情データ図録
国ごとにデータの年次が違いますが、
55歳以上と35歳以下の投票率差異は日本が下から2番目です。
ただ、これは日本が世界的な高齢化社会であることも一因となってるようです。
世界の高齢化率(高齢者人口比率) 国際比較統計・推移
資料:GLOBAL NOTE 出典:世銀
このグラフではG20を全て載せていますが、日本は一番上。
2015年時点で2位のイタリアと4%の開きがあります。
まとめ
海外の投票率から年齢別投票率格差を見てきましたが、
原因は一概に高齢化だけとは言い切れないでしょう。
スウェーデンの若者の投票率は、18歳から29歳が79%。(2010年総選挙)
これにはやはり理由があります。
・学校選挙
・若者政策
・25歳未満のメンバーで全体の25%を構成している政党
・政治好きな若者が多い
などが挙げられます。
日本では政治に興味を持つ機会が少ないです。
新聞ニュースによく取り上げられはしますが、
どこか自分にとって身近なこととは感じられない。
大人たちも子供にその話をする様子があまり見受けられません。
スウェーデンとは歴史や文化などの側面からも様々な違いはあるでしょう。
ただ国の姿勢次第で若者の興味の先を、政治から
遠のけることも、近づけることもできるように思います。
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