民営化を行い、株式公開も果たした「ゆうちょ銀行」が、激変する金融業界に後れを取らないようにと、
他の民間銀行に劣らぬサービスの提供に力を注いでいます。
その一つが「ゆうちょダイレクトプラス」。
すでに存在する「ゆうちょダイレクト」との違いは何なのでしょうか?
切り替えるとユーザーにはどんなメリットとデメリットがあるのでしょう。
その他、ダイレクトプラスを解約する方法や元のダイレクトに戻せるのか、
また印鑑変更時に通帳は無くて良いのか、さらにダイレクトプラス上で住所変更が出来るのか
などなど・・・
「ゆうちょダイレクトプラス」のイロハから、少し踏み込んだ話まで、分かりやすくお伝えして行きたいと思います。
目次
「ゆうちょダイレクトプラスとは要するに何?ダイレクトとの違いは?」
「ゆうちょダイレクトプラス」とはその前からサービスとして存在した「ゆうちょダイレクト」のいわば進化形とも言えるサービスです。
そして、「ゆうちょダイレクトプラス」を利用するには、「ゆうちょダイレクト」のユーザーになることが前提になります。
よってまずは、「ゆうちょダイレクト」の説明からさせて頂きます。
「ゆうちょダイレクト」は一言で言うと、今やメジャーになった「ネットバンキング」のことです。
つまりは、24時間いつでも、自宅などからパソコンやスマホ、携帯電話や固定電話、ファックスを使って、自分の口座にアクセスし、所定のサービスを活用できる便利ツールです。
具体的には、
「現在高照会」
「入出金明細照会」
「通帳未記入分の照会」
「ゆうちょ銀行宛電信振替」
「他の金融機関への振り込み」
「税金、その他各種払い込み」
「住所電話番号の変更」
「投資信託の取引・照会」などなど。
要は、現金を直接口座に現金を預けることと引き出すこと、そして、通帳記入以外は、ほぼ通常必要なサービスなら、ゆうちょ銀行窓口やATMまで行かなくても済ませられるということです。
特に、仕事が忙しく、なかなかATMを利用するタイミングを見つけるのが難しい人や面倒という人は、
圧倒的に便利になります。
電信振替も、電信ですから、自宅からでもクリックした瞬間に送金は完了されるわけです。
これが出来るだけでも、かなり便利で安心ですよね。
そして、次がいよいよ「ゆうちょダイレクトプラス」です。
先ほどお書きしたように、「ゆうちょダイレクト」が、進化したものが「ゆうちょダイレクトプラス(以下、ダイレクトプラス)」。
ではどんなところが違うのか?
一番大きな違いは、「無通帳型総合口座」という名が付いている通り、通帳が一切使用されなくなります。
つまりは、発行されないということ。キャッシュカードだけあればよく、あとは、パソコンやスマホなどを経由して利用します。
例えば、「ゆうちょダイレクト」では、現在高照会期間が「最大2か月まで」でしたが、「ダイレクトプラス」では「最大15カ月まで」の照会が可能です。
従来は郵送されていた「通帳未記帳分の案内」は送付されてきません。
しかも、「ダイレクトプラス」への変更手続きは、わざわざ窓口まで行かなくても、パソコンやスマホからいつでも簡単な操作だけで完了するのです。
ちなみに、「ダイレクトプラス」が利用できるのは、「キャッシュカードを利用している総合口座」に限られます。
つまり、通常振替口座、通常貯蓄貯金口座、キャッシュカードを利用していない通常貯金口座などは、
対象外です。
「切り替えによるユーザーのメリットとデメリットは?」
一番のメリットは、とにかく無通帳型ということです。今までは、たとえ、パソコンやスマホでネットバンキングをしている人でも、通帳は持っていましたし、記帳には、直接ATMまで出向かなければなりませんでした。
それが、切り替えたら、今後は一切必要なくなるということです。つまり、記帳に行くことが無くなります。
いつでも、照会した分の明細は、プリントアウト(印刷)も出来ます。
さらに、当然ですが、2冊、3冊・・・・と通帳がドンドン溜まって行ってしまうということも無くなるわけです。
まあ、これが取り立てて、珍しいかと言えば、すでに民間の銀行では当たり前に導入されていることですし、店舗を持たないネット銀行では、これが当たりまえのスタンダードです。
それに、近づいたという表現が適切かもしれません。
これをゆうちょ銀行の多くのユーザーが利用すると、実は大きな「エコ運動」になっているそうです。
相当の紙資源が浮きますし、ゴミや経費も削減できるでしょうね。
ただし、デメリットとしては、もし、キャッシュカードを紛失したら、お金が下ろせなくなる事態に陥ります。
また、キャッシュカードの再発行には、1030円の手数料が取られてしまいます。
さらに、切り替えて15か月以上の時が過ぎると、それより前の入出金明細が確認できなくなるということです。その場合は、事前にプリントアウトして保管しておくなどの処置が必要になります。
「ダイレクトプラスを解約する方法は?元のダイレクトに戻せる?」
まず、ダイレクトプラスをいきなり解約することは出来ません。
そのためには、元のダイレクトへ戻る手続きが必要になります。
元のダイレクトには、「切戻し請求」の手続きをすれば戻せますし、通帳も使えるようになります。
「切り戻し」って、あまり聞き慣れない言葉ですが・・・「キャッシュカード」「お届け印」「本人確認書類」を窓口に持参すれば、手続きが出来ます。そして、約2週間で新しい通帳が郵送されてきます。
ダイレクトそのものを解約したい場合は、所定の書類をダウンロードして必要事項を記入して郵送することで完了します。もちろん、窓口でも可能です。
「印鑑(印章)変更時に通帳は無くていい?」
ダイレクトプラスで、印鑑(印章)を変更するときは、当然、通帳は必要ありません。
というより、もうすでに通帳は、無いということになっていますから。
ただ、変更手続きは、さすがにネット経由では出来ませんので、窓口での手続きが必要です。
その際には、通帳の代わりに「キャッシュカード」を持参します。
ちなみに、その他には印鑑を変更することで、他に変更しなければならない、証書や保管証そして、今までの古い届出印と新しくする届出印、そして、本人確認書類を持って行きます。
あとは、窓口で配布される「改印届書」に必要事項を記入して、手続きを行います。
「ダイレクトプラス上で住所変更はできる?」
住所変更も、ダイレクトプラス上では不可能で、直接窓口に行き、先ほどの届出印の変更と同様に、「キャッシュカード」とその他、必要な証書や保管証、届出印、本人確認書類、そして、窓口で配布される「住所移転届書」に必要事項を記入して提出すれば、手続きは完了します。
ちなみに、結婚や離婚などで氏名が変わる場合も、手続きは、印鑑の変更や住所変更の手順と同じで、
窓口にて直接行うことが必要です。
「まとめ」
ゆうちょ銀行口座のヘビーユーザーというと、どうしても年齢層が高めというイメージもあり、
まず、ネットバンキングそのものに抵抗がある人が多いように推察します。
ATMすら、広く浸透するには、何十年もかかりました。
窓口に行き、目の前で、確かに受け取ってもらえてこそ、または、直接受け取ってこそ安心という気持ちは分からなくはありません。
しかし、その一方で、すでに、ネットでの口座開設も珍しくなくなってきていますし、各種審査すらAIが行う・・・という時代ももう目の前に来ています。
金融業界の変革の流れとユーザーのニーズのバランスをうまく取りながら、次世代へ向けて進化しなければ「ゆうちょ」と言えども生き残ってはいけない厳しい時代です。株式も公開したからには、株主からの厳しい要望も容赦なくつきつけられることでしょう。
ユーザー側の私たちも、のうのうと構えていないで、新しいサービスを積極的に理解し、活用するかどうかの選択を確実に行ってゆく必要があると思います。
さて、「ダイレクトプラス」あなたは、使ってみますか?
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