夏休みに出される宿題といえば読書感想文。
学校だけでなくその他企業や自治体などの主催する読書感想文コンクールもあります。
つい「何を書こうか?」と考えるわけですが、案外大切なのが感想文の「題名(タイトル)」です。
「タイトル」をどんな内容にするか、またどんな言葉をチョイスするかで読み手に与える印象は大きく変わってくるものです。
そこで今回は、小学生~大学生までの入賞作品の題名(タイトル)例をご紹介し、さらには「読書感想文の良い題名の書き方は?評価されるタイトルの付け方は?」についてもお伝えして行きたいと思います。
目次
「小学校の入賞作品の題名(タイトル)例」
読書感想文で高い評価が与えられる作品というのは、その人のしっかりしたメッセージが書かれていると言えます。
つまり、その本を読んで「こんなことが分かって勉強になった」とか「これからこんな事をがんばろうと思う」「こんな事はなくなってほしい」など、読む前と読んだ後で気持ちや考え方が、はっきり変化したり、新たな知識がついたことが分かると真剣に読書をがんばったことが伝わりますし、そこから学ぼうという前向きな姿勢も伝わります。
そしてそのことが題名からも感じられるというのが大切です。
それを頭において小学生の入賞作品の題名(タイトル)の例を見てみましょう。
・大切な忘れ物がわかったよ
・えっちゃんから教わったこと
・戦争はやめて
・がんばるということ
・メロスがわたしに教えてくれたこと
・勇気と思いやり
・前に向かって
・正直でいるということは
・悲しみと向き合う
・強さより大切なこと
・決してうらぎらない心
・言葉をこえて伝わる心
「中学校の入賞作品の題名(タイトル)例」
中学生になると小学生の時よりずいぶん大人になった気がするものです。
勉強が難しくなったり、部活にも真剣に向き合ったり、本気で恋をしたり、強烈なライバルが現れたり・・・
上手く行けばハッピーだし、負けたり、挫折すれば、悔しくて、悲しくて、絶望もします。
自分の人生に真剣に向き合い、ちょっと大人になったからこそ読書感想文にもその成長ぶりがうかがえたりします。
中学生の入賞作品の題名(タイトル)を見てみましょう。
・❝生きる❞ことの本当の意味
・信念をもって
・幸せとは何か~また、同じ夢を見ていた~
・友だちとは
・愛を感じて
・勝ち続ける組織の作り方
・働かないアリに意義がある
・踏み出す勇気
・音楽が教えてくれたこと
「高校の入賞作品の題名(タイトル)例」
高校生は、中学までとは違い義務教育ではないのでより社会と強く向き合っている立場と言えます。
これから先の進路も現実社会と自分の置かれている環境をシビアに照らし合わせて選択して行かなければなりません。
そういう意味では、読書感想文も「生きる」ということや「人間社会の現実」を直視した立場から、自分の考えや想いを偽らず、隠さず強くぶつけてゆくような作品が評価されているように感じられます。
入賞作品の題名(タイトル)例です。
・「知らない」ということ
・同じ人間として
・優しい言葉
・普通の人間とコンビニ人間
・言葉と共に
・命の重さ
・マララから学んだ勉強する意味
・「十字架」を背負って
「大学生の入賞作品の題名(タイトル)例」
大学生は、もう完全に大人の扱いです。
一つの作品に対して大人としてどう感じ、何を思うのか、それが現実社会においても充分現実味のある「提案」とか「生き方」とか「アンチテーゼ」であることが求められると言えます。
入賞作品の題名(タイトル)例です。
・人生を変えた一冊
・真心
・尊厳死について
・知識の発酵
・障害者福祉のあり方
・サムライ魂
・生きるための力
「読書感想文の良い題名の書き方は?評価されるタイトルの付け方は?」
わざわざ言わなくても容易に想像がつくかもしれませんが、読書感想文を読んで評価をなさる先生や審査員の方々は、想像をはるかに超えるほど多くの児童や生徒の読書感想文を読んでおられます。
そして、その皆様はとってもお忙しい方々ばかりです。
その限られた時間の中で真剣に素晴らしい作品を見つけ出そうとされているのです。
よってただ軽い気持ちで書いたものやその場限りの間に合わせで書いた文章では、とうていそのような方々の心に強く残るような感想文にはなりえません。
本の作者が何を読者にうったえるためにこの本を書いたのか?どんなことを教えたかったのか?
どんな人間になって欲しいと思っているのか?何が憎(にく)いのか?何を愛しているのか?・・・
どんな本も1冊書きあげようと思えば大変な時間と労力が必要です。
そして、わざわざお客さん(読者)にお金を出して買ってもらう本を書くということは、これだけは伝えたい、これだけは気がついて欲しい・・・という強い思いがあるはずなのです。
そのメッセージをあなたがどう受け取ったか、そして、そこから何を考えたのか、その衝撃(しょうげき)や感激、感動、恐怖、悲しみなど気持ちの振り幅が大きいほどそれがパワーやエネルギーとなって先生たちに届くのです。
そして、そのあなたの正直な思いが一番伝わるような「題名(タイトル)」を付けることがそのまま良い評価にもつながって行くと考えて下さい。
そう考えると「○○を読んで」というタイトルは、全く気持ちが伝わりません。
もし、100人が同じ本を読んで全員が「○○を読んで」というタイトルにしたら、タイトルだけでは誰のものかさっぱり見分けがつかないわけです。これでは、あまりにつまらなくて残念です。
それより、先生たちが「これは面白そうだ!」「読んでみたいな!」「なんでこんな題名に!?」「ハッハッハ(笑)」と一行目から気持ちがそそられそうなものを考えみて下さい。
本の題名とは全く関係ない内容でも構いません。逆にその方が面白いでしょう。
おススメするのは、読んでいてこの主人公のセリフはいいな、とか文中の表現で心動かされるものがあればチェックしておきましょう。そして、その文章や表現の一部をタイトルに引用するのです。
または、あなたが考えるその本の一番のテーマをあなた自身の人生や日常生活に照らし合わせて、自分のテーマとしてとらえたタイトルを考えたとき、その言葉が他にはないオリジナリティを帯びて先生たちにひびくことでしょう。
「まとめ」
読書は、ただ本を開くだけで思いもかけない素晴らしい世界に自分を誘(いざな)ってくれるものです。
本を読むことで世界が開けたり、全く新しい物事のとらえ方が出来たり、今日からまた頑張ろうと勇気ややる気をもらえたり。
読書感想文を書こうとするからこそ、より真剣に本の中身を理解しようとしますし、そうすることで自分の人生や生きる姿勢を見直す貴重な機会にもなりえます。
文章が上手く書けなくても、書くことが好きでなくても、読書感想文を書く作業そのものがきっとあなたを成長させてくれるはずです。この夏、あなたにとって素晴らしい1冊に出会えることを願っています。
こちらの記事にもタイトルの作成例について書いていますので、ぜひ併せて読んでみてください。
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