働くということは、どの世界においても責任と根気、やる気が必要です。
とりわけ、看護や医療の世界は「命」を扱う職種なので、立ち止まる時間もなく、めまぐるしく変わる状況への対応力と常に学び続けなければならない姿勢、加えて、多くの経験が必要で、とにかく過酷な現場です。
ですが、だからこそ感じるやりがいや喜びも身にしみるものがあるでしょう。
そんな看護の世界に憧れを抱いた人々が、まず最初に門をたたく場所の1つに「看護学校」があります。
看護の世界に大きな夢と憧れを持って入学してくる者たちに、入学式で祝辞を述べることになった場合、どのような言葉を贈ればいいでしょうか。
そこで今回は
看護学校の入学式で祝辞を述べることになった看護部長や在校生代表に校長、そして来賓代表の挨拶例文をはじめ、書き方のポイントや注意点について紹介していきたいと思います。
祝辞を述べることになったみなさん、ぜひ、それぞれの立場に合った例文を参考にしてくださいね!!
目次
看護学校入学式祝辞丨看護部長の例文!挨拶のポイントや注意点は?
まずは看護部長の挨拶のポイントからまとめていきましょう。
看護部長は、看護の現場で多くの経験をしてきたことでしょう。
看護学校で看護師のたまごとして学ぶ者たちにとっては大先輩にあたるわけです。
現場の過酷さを伝えすぎると恐怖にもなりますが、あまりにも現実とかけ離れた「白衣の天使としてキラキラしている」というようなイメージだけでも困ります。
その辺りのバランスを上手く取りながら、看護の魅力を伝えていきましょう。
<看護部長の看護学校入学式祝辞のポイントや注意点>
・新入生へのお祝いの言葉と激励の言葉、歓迎の言葉を盛り込む
・保護者へのお祝いの言葉を盛り込む
・看護の現場の魅力や、あり方など、経験から得たものを盛り込む
以上のことを踏まえて、例文を紹介してみましょう。
ここでは、看護学校と同じ法人が経営する系列の病院の看護部長の祝辞ということで例文を作っていきます。
流れを参考にしてください。
【看護部長の看護学校入学式祝辞例文】
花の香りがそよ風に運ばれてくる候となり、心穏やかに過ごす日が多くなってきました。
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
この春の佳き日に、希望に満ち溢れた新入生の皆さんのお顔を拝見できましたことをとても嬉しく思います。
さて、皆さんは本日より看護の世界に1歩足を踏み入れたわけですが、その世界の過酷さゆえに苦しみもがく時期を迎えることもあるでしょう。
「命」の大切さを知れば知るほど、厳しい現実とも向き合うことも増えてきます。
ですが、その先に待っているのが、自身の「成長」です。
医療や看護に携わるものとして、より成長したいと思う人には必ず大きな糧となります。
どうか、どんなときでも目を背けることなく堂々と前を向いていられる看護のプロになっていただきたいと思います。
ところで、私は看護を職として30年近くなるのですが、現場で働く上で最も大切にしてきたことがあります。
それは「患者さんに尊敬の念を抱き、寄り添い、心を込めて看護サービスを提供する」ということです。
どんな最新医療を提供できるとしても、患者さんの心を満たすことのできる看護を行えないのであれば、看護師としての職務は全うできません。
1人1人の患者さんを理解し、尊敬し、寄り添うことで、患者さんだけでなく地域に信頼される看護のプロを目指してください。
そして、めまぐるしく変化する医療の技術に対応できるよう、常にスキルアップを目指し看護職としての専門性を高めていってください。
また、保護者の皆様をはじめ、今日のこの日まで新入生を支えてきてくださいましたご関係者の皆様におかれましても、心よりお祝い申し上げます。
これからも、看護という素晴らしい専門職を目指し日々奮闘する姿を陰ながら応援し、時にサポートしてくださいますようお願い申し上げます。
皆さんの支えあってこそ、この日本の医療・看護の現場で働く若者が活躍できることでしょう。
最後に、○○看護学校の益々のご発展とご臨席の皆様のご健勝、ご多幸を祈念しまして、お祝いの言葉と致します。
看護学校入学式祝辞丨在校生代表の例文!挨拶のポイントや注意点は?
次に、在校生を代表して祝辞を述べることになった場合のポイントや注意点をまとめていきましょう。
在校生ということは、すでに看護学校でいくつかの経験を積み、知識や技術を学んでいるわけです。そんな先輩の経験談や感じたことなどを交えれば、これからの学校生活の参考にもなります。
期待が膨らむような内容と、目標に向かって奮起できるような激励の言葉を盛り込みたいところですね。
次のようにまとめてみました。
<在校生代表の専門学校入学式祝辞のポイントや注意点>
・新入生へのお祝いの言葉と激励の言葉、歓迎の言葉を盛り込む
・この学校で学べることや得られるものなどを、経験談を交えて伝える
・新入生=後輩とはいえ年齢層が広いので、きちんとした言葉遣いに気を付ける
・学校生活が楽しいものと感じられるような明るい内容とテンポを心がける
以上のことを踏まえて、例文を紹介してみましょう。
【在校生代表の看護学校入学式祝辞例文】
新入生の皆さん、保護者の皆さん、
本日はご入学誠におめでとうございます。
皆さんのご入学を在校生一同、心から歓迎致します。
○○看護学校は、笑顔でいっぱいの活気ある学校です。
今日から皆さんと一緒にここで看護に関する多くの技術や知識を学び、多くの経験を積みながら一緒に過ごせることを楽しみにしていました。
立ち止まったり困難にぶつかったときは、私たち在校生や今隣にいる仲間、そして先生方を頼りにしながら、1つ1つ一緒に解決の道を探していきましょう。
また、看護師という専門職の学習は、技術や一般教養のほかにも強いメンタルと強い意志を築き上げていくために必要な内容ばかりです。
現場実習や技術試験などと平行して、レポートや課題、筆記試験にも取り組んでおかなければならないなど、心身共に疲れるようなことも多くなります。
ですが、これが将来、医療・看護の現場に立ったときにきっと役に立つのです。
○○看護学校の大きな特徴は、看護師としての資格を取得するための学習だけでなく、体力をつけ、柔軟に対応できる術を見につける基礎ともなります。
ぜひ、ここで学べる全てのことに積極的にチャレンジしてください。
そして、この○○看護学校が更に活気溢れる素晴らしい学校となるよう、在校生と共に力を合わせて頑張っていきましょう。
簡単ではございましたが、
以上で在校生を代表して、お祝いと歓迎の挨拶とさせていただきます。
看護学校入学式祝辞丨校長の例文!挨拶のポイントや注意点は?
次は、校長の祝辞についてまとめていきましょう。
私の学生時代の友人が、自身の出産時にお世話になった助産師さんや看護師さんの影響で、看護師になりたいと看護学校に入学しました。
見事に看護師試験にも合格し、現在では病院で看護師として日々奮闘しているそうです。
子育てしながら働くことは本当に疲れると言いながらも、その目は以前よりキラキラしていました。
看護学校には、このように一度社会に出た後に新たな目標を掲げてやってくる人もいれば、高校を卒業したばかりでまだまだ経験値の少ない初々しい若者もいます。
中学や高校のように、一定の年齢層に向けた言葉ではなく、どの層にも受け入れやすい言葉選びも必要になってきますね。
<校長の看護学校入学式祝辞のポイントや注意点>
・新入生へのお祝いの言葉と激励の言葉、歓迎の言葉を盛り込む
・特徴的なカリキュラムや授業内容、学校の理念や校風などを紹介する
・学校代表者として、来賓への謝礼を述べる
以上のことを踏まえて、例文を紹介してみましょう。
【校長の専門学校入学式祝辞例文】
希望にあふれる輝かしい春の佳き日に、総勢●●名を迎え第●●期生入学式を挙行できますことに深く感謝し、喜びを申し上げます。
また、ご臨席賜りましたご来賓の皆様へも重ね重ね御礼申し上げます。
新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
本校は昭和●●年の開校以来、多くの看護師を医療・看護の現場に送り出してきました。
創設者である****氏は・・・(学校の歴史や地域との関わりなどを紹介する)
また、本校では
「安全で質の高い看護・責任感と積極性にあふれた看護・患者や地域に寄り添い信頼される看護」
という3つの理念をもとに、変化する医療の世界に対応し貢献できる看護の専門職且つ豊かな人間性を持った人材を育むための多くの学習内容と演習・実習を用意しています。
中でも特徴的なのは・・・(学習内容や実習の特徴的な部分があれば紹介する)
これから3年間かけて、新入生のみなさんそれぞれが目指す看護職というものがどのようなものになるかは、我々教職員の指導とサポートにかかってくるということは肝に銘じております。
それだけにまた、みなさんも我々と共に学び続ける姿勢を忘れずに、充実した学生生活を送れるよう1日1日を大切に過ごしてください。
最後になりましたが、本校で学ぶ学生皆が、誇りある看護師となって巣立っていけることを期待し、本校職員を代表してお祝いの挨拶とさせていただきます。
看護学校入学式祝辞丨来賓の例文!挨拶のポイントや注意点は?
看護学校の入学式で来賓として招待されるのは、地区の医師会関係者や同じ法人が経営している他の学校や施設の関係者、卒業生(同窓会会長など)、その学校に入学する生徒を多く出している高校の校長先生などになるでしょうか。
また、介護福祉施設、製薬会社など、看護に絡む業者の関係者などもあるでしょう。
いずれにしても、来賓者は招かれた立場であることを心して、祝辞例文のポイントや注意点をまとめてみましょう。
<来賓の専門学校入学式祝辞のポイントや注意点>
・新入生へのお祝いの言葉と激励の言葉を盛り込む
・保護者へのお祝いの言葉を盛り込む
・学校関係者へ招かれたことへの謝礼を述べる
・看護の重要性や大切さを伝え、学生のやる気を促す
以上のことを踏まえて、例文を紹介してみましょう。
【来賓の看護学校入学式祝辞例文】
吹く風もやわらかくなり、暖かな日差しに草木も喜んでいるように感じられます。
本日、ご入学を迎えられた皆さん、保護者の皆様におかれましても喜びで胸がいっぱいのことでしょう。本日はご入学、誠におめでとうございます。
今年もまた、看護職を目指す若者がこの○○看護学校の門をくぐりたくさんの希望を胸に目を輝かしている姿を見ることができ、本当にうれしく思います。
今の医療状況で求められる看護師としての能力は、昔と比べてはるかに高度であり幅も広く、その重要性も期待されています。
少子高齢社会の時代背景を受けてか、
医療、保険、介護、福祉に貢献できる専門性の高い看護を求められる時代です。
それだけに、この○○看護学校で学ぶ看護基礎教育は本当に大切になってきます。
技術や知識だけでなく、
患者さんとのコミュニケーションをうまくとるための心配り
もしっかりと学んでください。
また、変化する状況に対し自らの頭で考え適切に判断する力と、日々進歩する医療に対し積極的に学びスキルアップを目指す姿勢も重要になってきます。
先生方や諸先輩方の教えをしっかりと刻み、充実した学校生活を送ってください。
最後になりましたが、校長先生を始め、学校関係者の皆様、本日は未来の看護師の第1歩を祝う貴重な場にお招きいただきましたこと深くお礼申し上げます。
これから先、看護の世界に羽ばたこうとする若者達に精一杯のお力添え、ご支援に尽力していただきますようお願い申し上げ、祝辞の挨拶とさせていただきます。
まとめ
いかがでしたか?
看護学校に入学してくる人は、専門的な知識だけではなく、多くの技術を学ぶ場であり、多くの経験ができる場として選んでいることでしょう。
実習や試験が大変であることは承知の上で入学するわけですから、その意欲や根気を損ねてしまわないような言葉の選び方が、挨拶内容の最大のポイントとなりそうですね。
そして、どの学校での祝辞にも共通して言えるのですが、難しい言葉や専門用語を並べてかっこよくキメようとするよりも、わかりやすい言葉で明確・簡潔にまとめる方が新入生や保護者には耳に入りやすくなります。
新入生に何を伝えたいのか。
一番伝えたいことが引き立つような内容にするといいですね。
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