どんなにキッチンをきれいに掃除しても、黒く焦げたやかんが置かれていると掃除をされていないような雰囲気になりませんか?
そもそもあの外側の焦げ付きはなぜ起こるのでしょうか。
フライパンや鍋は引き出しに片付けることはあっても、やかんはガスコンロに置いたままというご家庭が多くないですか?
ガスコンロに置いたまま隣で炒め物をしたり揚げ物をすると、その油がやかんに付着します。
また、意外ですが、やかんに付いた水滴が火にかけた際に焦げていきます。
この油汚れや水滴の焦げが少しずつ蓄積されて次第に「頑固な汚れ」に変わるのです。
ここでは、そんな頑固な焦げ付きを簡単に落とせる方法について紹介します。
やかんの焦げ付きの落とし方は?
やかんの焦げ付きを落とすには重曹を使います。
手順は
1.大きめの鍋に水と重曹を入れる(水200㏄に大さじ1杯の重曹が目安)
2.弱火で火にかけ、やさしく沸騰させる
3.やかんを鍋に入れて5分ほど煮る
4.アルミホイルを丸め、重曹を塗る
5.やかんを取り出し荒熱が取れたら、上のアルミホイルで焦げをこする
といった流れです。
重曹は結晶なので、あまり強くこすると傷になりますので注意してください。
また、音や傷が気になってアルミホイルを使いたくないという場合は、デニム生地の硬さが適しているので、履かなくなったジーンズなどがあれば小さく切って使うのも有りですね。
以上のやり方は、15~20分もあればできるので、短時間でささっと終わらせたい人にオススメです。
ですが、やかんが浸かるほどの大きな鍋がない、という場合はどうしたらいいでしょうか。
上の要領で作った重曹水に一晩つけておきます。
柔らかくなって浮いてきた汚れに更に重曹の粉をかけて、その後磨くようにしながら拭き取ってみてください。
頑固な焦げ付きはこれらの方法でキレイに落としていきますが、軽い焦げ付きの場合は重曹をふりかけたアルミホイルでこするだけけっこうキレイになりますよ。
後述でも触れますが、重曹はとにかく焦げや油汚れに強いので、重曹とアルミホイルの組み合わせで、ガスコンロもキレイになります。
重曹は食品としても使われる天然由来のものなので、食べ物を扱うキッチン周りの掃除には、強力な洗剤を使うよりもずっと安全・安心ですね。
ただし、アルミ製のやかんに使用すると変色の恐れがあるので使用しないでください。
重曹とセスキ炭酸ソーダとクエン酸の違いは?
テレビや雑誌などで、重曹やセスキ炭酸ソーダ、クエン酸を使ったお掃除テクニックの特集を目にすることが多くなりましたね。
とりあえず「どれも天然由来のものだから、赤ちゃんのいる家庭でも安心」というイメージくらいはあるものの、果たしてどれをどのような箇所の掃除に使ったらいいのか混乱してしまうということはありませんか?
まずは、それぞれの成分からその違いについてまとめてみましょう。
<重曹>
トロナといわれる鉱石を精製して作られます。
食塩水を加工して作られることもあります。
ごく弱いアルカリ性で、水にやや溶けにくい性質を持っています。
<セスキ炭酸ソーダ>
重曹(重炭酸ソーダ)と炭酸ソーダが半々で混ざったものです。
ほとんどが重曹と同じトロナ鉱石を精製して作られています。
弱いアルカリ性ですが、重曹よりも少しだけアルカリ性度合いが強くなります。
<クエン酸>
クエン酸といって真っ先に思い浮かぶのは、梅干やレモンなどの柑橘類ではありませんか?
今、思い出しただけでも目を閉じてしまいそうな酸っぱいものです。
疲労回復や美肌効果に期待ができる栄養素ですよね。入浴剤として使用する人もいます。
つまり、口に入ってもまったく害のない、ものすごく安全なものというわけです。
酸性の性質を持ちます。
まとめると
重曹・セスキ炭酸ソーダ → アルカリ性
クエン酸 → 酸性
となり、それぞれに効く汚れのタイプが異なってきます。
アルカリ性は中和効果で酸性の汚れに適していて、その反対に酸性はアルカリ性汚れに適しています。
それぞれの性質から、どのような汚れに適しているかをまとめると次のようになります。
重曹とセスキ炭酸ソーダとクエン酸はどれがいい?
アルカリ性は中和効果で酸性の汚れに適していて、その反対に酸性はアルカリ性汚れに適しています。
それぞれの性質から、どのような汚れに適しているかをまとめると次のようになります。
重曹=アルカリ性
主に酸性の汚れに強い
水に溶けにくいため、洗濯には不向き
研磨力が強いので焦げ落としに適している
ちなみに重曹には3種類あります。
・医薬用
・食用(食品添加物)
・工業用(掃除)
それぞれの違いは重曹の純度です。
純度が高いほど値段も上がります。
掃除目的なら工業用で大丈夫ですが、お風呂に入れたり、肌に触れるなら食用がおすすめです。
「食用」は掃除以外にも用途が広がります。
セスキ炭酸ソーダ=アルカリ性
主に酸性の汚れに強い
水に溶けやすいため、皮脂汚れを落とす洗濯に適している
重曹に比べるとより油汚れに強い
【酸性の性質を持つ代表的な汚れ】
油汚れ 皮脂汚れ 手垢 ホコリ タンパク質の食べ物の汚れ、生ゴミや靴の消臭効果
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クエン酸=酸性
主にアルカリ性の汚れに強い
細菌の増殖を抑える効果があるので、消臭や除菌に適している
【アルカリ性の性質を持つ代表的な汚れ】
水垢 トイレの黄ばみやアンモニア臭や尿石 石鹸カス タバコのヤニ汚れや臭い
※クエン酸は塩素系の洗剤に混ざると有害なガスが発生するので注意してください
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上のまとめから考えると、同じキッチンの掃除でも、ガスコンロ周りは油汚れがメインなので重曹やセスキ炭酸ソーダが適していて、シンク周りは水垢や除菌効果などからクエン酸が適しているということがわかりますね。
内側の焦げ汚れの原因と落とし方は?
やかんの外側の汚れは油汚れが原因だったので、重曹やセスキ炭酸ソーダが適していました。
では、内側の焦げ汚れの元はなんでしょうか。
これは水垢が焦げていたり直接麦茶パックを入れて沸かした際についた茶渋などが原因となっています。
水垢が原因ということは、上のまとめから考えると、汚れ落としに適しているのはどれかわかりますか?
そうですね。クエン酸です!!
汚れを落とす方法としては水1リットルに小さじ1杯のクエン酸の割合でクエン酸水を作り、やかんに入れて10分ほど火にかけます。
火を止めたあとはそのまま一晩置いて、中身を出した後はスポンジでこすり、最後にしっかりすすいでください。
外側と内側で使うものが異なるのは、汚れの成分が違うからなんですね。
まとめ
どこのどのような汚れに、どれを使うのか。
主な掃除箇所をまとめてみました。
大掃除をするときに参考にしてみてくださいね。
キッチン(コンロや調理器具の焦げ付き) → 重曹(研磨力が強いため)
キッチン(コンロや換気扇の油汚れ) → セスキ炭酸ソーダ(油汚れに強いため)
キッチン(レンジの中) → セスキ炭酸ソーダ(油汚れに強いため)
キッチン(シンク周り) → クエン酸
浴室・トイレ → クエン酸
補足として、研磨力の違いや油汚れに強いかどうかで重曹とセスキ炭酸ソーダを分けましたが、レンジや換気扇周りの取り外せない箇所などには水で希釈してスプレーにします。
その為、水に溶けやすいセスキ炭酸ソーダの方が適しているので参考にしてください。
大掃除はもちろん、毎日のお手入れに天然由来の安全な重曹・セスキ炭酸ソーダ、クエン酸を上手に使い分けて、すっきりキレイな空間を手に入れましょう。
まずは手始めに、焦げ付いたやかんのお手入れから始めて、重曹の力を試してみてください。
キレイになったやかんで作ったお茶は、一段とおいしく感じるはずですよ!
プロへの依頼もおすすめ
やかんをきれいにすると、キッチン周りもついでにキレイにしたくなりますよね。
もし、忙しくてそこまでできない、プロのお掃除ワザを見てみたい!という方はプロに依頼してみるのもおすすめです♪
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