お世話になっている人への感謝を込めて、また夏の暑さによる体調を見舞う挨拶として贈るお中元。
最近では、自宅を訪問して手渡しするというよりも、デパートやネット通販などで購入し、そのまま相手側へ配送するという手段が多くなってきていますよね。
そうなってくると、受取側にも悩みが発生します。
それは、お礼の方法です。
電話での連絡という方法もありますが、最も正式な方法はお礼状を出すということです。
とはいえ、親戚からいただいた場合、あまりにかしこまった文面にしたために壁を作っているように感じられても困りますし、くだけすぎた文面では「親しき仲にも礼儀有り」を心得ていない!と感じられてしまうのでは・・・と、不安にもなります。
そこで今回は、親戚からお中元をいただいた場合のお礼状について、
食べ物・飲み物・日用品などいただいた品別の例文や、書き方のポイントなどに触れながらまとめていきたいと思います。
親戚宛のお礼状と個人一般宛へのお礼状とにどのような違いがあるのかも併せてチェックしていきましょう!!
目次
お中元のお礼状丨親戚宛の例文1(食べ物を頂いた場合)
親戚とひとことで言っても、普段から親しくお付き合いのある間柄と、少し縁遠い間柄の場合とで、どこまでかしこまった言い回しにするのか、微妙に表現方法が異なってくるでしょう。
今回の例文紹介では、その辺りを考慮して2パターンの例文を用意したいと思います。
まずは、お中元で食べ物を頂いた場合の例文を紹介していきましょう。
食べ物をいただいた場合には、贈った側としても口に合うかどうか気になることもありますので、味の感想などを入れて家族の喜びの様子を伝えるように心がけてみましょう。
<例文:普段から親しくお付き合いのある親戚の場合>
猛暑の日が続きますが、いかがおしのぎでしょうか。
こちらは暑さを乗り切るために、毎日試行錯誤で涼しさを求めながら過ごしております。
ほとんどが庭でのプール遊びではありますが。
さて、このたびは素敵なお中元の品をありがとうございました。
フルーツたっぷりのゼリーをよく冷やしていただくと、我々家族一同が求める「涼」となり、子ども達も大興奮です。
早速、美味しくいただき涼ませていただきました。
お時間あります際には、ぜひ皆さんで我が家へお越しください。
子ども達が一緒にプール遊びをしたいと張り切っております。素敵な夏休みになることでしょう。
まずは、夏の暑さにバテてしまわぬよう
お体に気をつけてお過ごしください。
取り急ぎ、お礼まで。
<例文:あまり多くの交流がない親戚の場合>
暑さが日ごとに加わってまいりますが、皆様お変わりございませんでしょうか。
こちらは変わらず過ごしておりますが、来年に定年を控え在宅の機会も増えますので、こうも家の中が暑いと、何か本格的に対策を練らねばと焦るばかりです。
そんな折、先日お心のこもったお品が届きました。ありがとうございました。
夏の暑い時期には素麺の出番も多く、家族皆で美味しくいただいております。
おかげさまで、暑さで食欲を落とすことなくこの夏も元気いっぱいに過ごすことができそうです。
皆様におかれましても、どうぞ元気に夏をお過ごしくださいませ。
お中元のお礼状丨親戚宛の例文2(お酒などの飲み物を頂いた場合)
次に、夏のお中元に多いお酒やジュースなどの飲み物を頂いた場合の例文を、上と同様に2パターン紹介していきましょう。
飲み物は数量が多く、すぐに無くなる事はないので「美味しくいただきました」という過去形ではなく、「美味しくいただいております」という進行形の感想でなければ不自然です。
微妙な違いとはいえ、ちょっとした言葉の遣い方で相手への伝わり方も異なってくるので注意しましょう。
<例文:普段から親しくお付き合いのある親戚の場合>
楽しい夏休みを迎えて、毎日が騒がしくなりました。
みなさまはいかがお過ごしでしょうか。
さて、本日お中元の品をちょうだいしました。ありがとうございます。
季節のフルーツを絞ったジュースは、この長い夏休みの間に子ども達の渇いたのどを潤すのに最適で大助かりです。
いつもお心配りをいただいて本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
今年もまたお盆にお会いできると伺っておりますので、その日が来るのを家族一同心待ちにしております。
まだまだ暑い夏は続きます。
くれぐれもご自愛くださいませ。
<例文:あまり多くの交流がない親戚の場合>
色濃い青空と鳴り響く蝉の声に、いよいよ夏本番を迎えたと感じる今日この頃ですが、
皆様はお変わりなくお過ごしでしょうか。
おかげさまで私ども家族一同は、変わらず元気に過ごしております。
末の子が小学校を卒業しましたので、幾分肩の荷はおりたものの、長男・長女の大学と高校受験が重なり息をつく暇もないこの頃です。
さて、このたびはお心尽くしのお中元の品をお贈りいただき、ありがとうございました。
暑さを理由に冷えたビールで乾杯するのが、この夏の我々夫婦の楽しみでもありましたから、本当に感激いたしております。
まだまだ厳しい暑さが続きますが、体調にはくれぐれもお気をつけくださいませ。
まずは書中にてお礼まで。
お中元のお礼状丨親戚宛の例文3(日用品を頂いた場合)
例文の最後は、日用品を頂いた場合の内容で紹介していきましょう。
こちらもこれまでと同様に2パターン用意しました。
日用品はすぐには使えないものもあるので、感想を述べるのが難しい場合もありますが、使用した感想ではなく「役に立って助かる」という主旨の感想にするなどして応用していきましょう。
<例文:普段から親しくお付き合いのある親戚の場合>
梅雨明けから本格的な暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
こちらでは、空梅雨だったせいか庭木や草花の勢いがなくなり戸惑っております。
お近くにお寄りの際にはぜひ、園芸の指導を兼ねて遊びにきてくださいね。
さて、
このたびはご丁寧なお心づかいをいただき本当にありがとうございました。
日本の名湯を楽しめるとあって、毎日家族で温泉に行った気分になっています。
相変わらずの
気配りに感謝の気持ちでいっぱいです。
まだまだ暑さは厳しくなるようです。皆様どうぞご自愛ください。
<例文:あまり多くの交流がない親戚の場合>
日を追うごとに暑くなりますが、ご家族の皆様はお元気にお過ごしでしょうか。
日ごろはご無沙汰しておりまして申し訳ありません。
おかげさまで家族一同、変わりなく健やかな日々を過ごしております。
ご心配おかけしておりました長男の大学受験も無事に終わり、ひと安心しているところでございます。
さて、このたびはお中元をお贈りいただき誠にありがとうございました。
次男が部活動でたっぷりと汚して帰ってまいりますので、いただきました洗剤は本当に大活躍いたします。
いつもながらのお心づかいに恐縮するばかりです。
これから暑さが本格化しますので、皆様どうぞご自愛くださいませ。
まずは取り急ぎお礼まで。
書き方のポイントは?感想は入れたほうがいい?
おはようございます。
今日も旅立つはがきたち。夏のはがき、楽しく使っていただけると嬉しいです。#お礼状 #はがき #暑中お見舞い #Thankyou pic.twitter.com/ZrprGladEH— 旅するはがき (@tabihaga) 2015年7月18日
これまでの例文を参考に、書き方のポイントをまとめてみましょう。
お礼状の書き方としては、
・(頭語)
・時候の挨拶
・相手の体調や近況を伺う言葉
・お礼の言葉
・感想
・結びの挨拶
・(結語)
という流れで書くと、まとまりやすくなります。
そして、あまり多くの交流がない親戚宛の例文を3つ紹介していますが、この例文にはある共通のポイントがあります。
それは、自身(または家族)の近況報告もしているということです。
日ごろから親しく付き合いのある親戚の場合は、お互いの近況を把握していることもありますが、あまり多くの交流がない親戚の場合は、お互いの近況がわからないということもあるでしょう。
そこで、相手に体調や近況を確認する文面の後に、自身の近況もそれとなく報告しておくと親戚としての間柄に壁を作っている感じもなくなるでしょう。
感想について
また、すべての例文には頂いた品に関する感想が入っています。
間違いなく届いたという証にもなりますし、贈った側としてはどのように感じられたかが気になるのは当然のことです。
家族が喜んでいるということが伝わるような感想を上手に組み込んでみましょう。
頭語と結語について
頭語と結語をかっこ書きにしているのは、あえて使わない場合もあるからです。
頭語とは相手への敬意を表す言葉で、文章の一番始めに置き、それとの組み合わせで決められた結語を文章の末尾に置きます。
よく目にするもので「拝啓(頭語)」「敬具(結語)」がありますね。
お礼状の基本構成としては頭語と結語を使用しますが、更に丁寧な文章にするのかどうか、相手との間柄や関係性により省くこともあるわけです。
今回登場してきた例文では「親戚宛のお礼状」ということで、ビジネスシーンのようなフォーマルな雰囲気ではなく、親しみを込めてという設定のもと、頭語と結語は省いています。
※余談ですが、以下のようなケースではそもそも頭語と結語は使いません。
・年賀状
・暑中、残暑、寒中見舞いなどの季節の挨拶
・慶事、弔事の手紙
・抗議文
・詫び状
個人一般宛との違いは?
今回は親戚宛のお礼状についてまとめてきましたが、個人一般宛へのお礼状との違いはあるのでしょうか。
仕事関係の場合で、取引先の担当者などから個人的に頂戴するような場合は、上の書き方のポイントとして紹介した5つの基本構成を基に、結びの挨拶で「●●さまのご健勝とますますのご活躍をお祈り申し上げます」というような相手の繁栄を願う文面を加えるといいでしょう。
同じ仕事関係でも、社内(部下や上司など)で頂いた場合には、基本的には親戚宛のお礼状と同じ構成で十分に丁寧な挨拶ができます。
ただし、親戚へのお礼状の場合であればお品の感想の際に家族の個人名や呼び名を入れて喜びを表現したり、息子が高校受験だとか娘が来年結婚予定であるような個人的な情報を入れても問題ありませんが、個人一般宛へのお礼状ではあまりプライベートな情報をこの場において書き記す必要はないでしょう。
親戚宛と個人一般宛のお礼状の大きな違いといえばこの辺りでしょうか。
上司宛・部下宛へのお礼状の書き方については、こちらの記事も参考にしてください。
まとめ
いかがでしたか?
今回は頂いた品別に例文を紹介してみました。
食べ物・飲み物・日用品で感想や表現にも違いが出てきますので、ぜひ参考にしてください。
また、交流の少ない親戚宛の例文においても、あまりにもかしこまりすぎて親戚との間に壁ができてしまわないような絶妙なニュアンスで表現しています。
厳格なご一族であるという場合を除いては、このくらいの表現がちょうどいいのではないでしょうか。
そして何より、お中元が届いたらすぐに中身を確認して、3日以内にお礼状を出すというマナーを忘れないでくださいね!!
この記事へのコメントはありません。