季節

季語と時候の挨拶の違いは?候・砌・折の意味や漢語・口語調の違いも解説

年賀状では、まず始めに「明けましておめでとうございます」といった類の新年の挨拶を書きますが、手紙やお礼状などを書く場合、どのような書き出し方をしますか?

また、書面に限らず、入学式・卒業式などで述べる祝辞や謝辞などでも挨拶の切り出し方として持ってくると良い言葉があります。

それは「時候の挨拶」です。

始めにこの時候の挨拶をもってくることによって、季節の移り変わりや寒さ暑さを表現することとなり、相手の健康を気づかう意味合いにもつながって、その後に続く文章の流れがスムーズになります。

では、時候の挨拶で季節を表現するということは「季語」とは違うのでしょうか。

また、この時候の挨拶の中には「新緑の候」だとか「桜満開のみぎり」だとか「寒さまだ厳しい折」といったような「候」「砌(みぎり)」「折」という少し難しい雰囲気の漢語調の言葉を用いたものがあります。
これらにはどのような意味があるのでしょうか。

「天の川がひときわ美しい季節となりました」といったような、いわゆる口語調のものとに違いはあるのでしょうか。

今回は、時候の挨拶に関するこれらの疑問を解説していきたいと思います!!

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季語と時候の挨拶の違いは?

例えば、晩夏によく使われるものとして「立秋とは名ばかりの厳しい暑さが続いています」という時候の挨拶があります。

このように夏の残暑を表現するフレーズで書き出すことで「お体はお変わりないですか?」といったように、相手の体調を見舞う文章につなげることができます。

普段の会話の中でも

「最近肌寒くなってきたから風邪を引かないようにね」
「今年の夏は猛暑続きだね。バテないように気をつけてね」

といったように、気候や季節のことを出して体調を気遣うことがありますが、時候の挨拶を用いて書くことは、お礼状や手紙などの基本構成の1つでもあり、とても自然な流れで文章を組み立てていくことができるのです。

では、時候の挨拶が季節を表現するものであることはわかったのですが、よく耳にする「季語」とはまた違うのでしょうか。

結論から言うと、

「季語」は俳句で用いられる季節を表現する言葉なので、時候の挨拶とは違います。

俳句とは、ご存知の通り五・七・五の文字数で構成される定型詩です。
この俳句の決まりごととして、季節を表す言葉の「季語」を用いらなければなりません。

一方で、時候の挨拶で用いる言葉や表現は季語とは少し異なり、必ずしも季節(春・夏・秋・冬)を表現する言葉でなくても良いので、「雨の日が続いておりますが・・・」といったように天気の特徴を用いてもいいわけです。

ただし、季語の中には時候を表す言葉もあります。
例えば「盛夏の候、お体にお変わりありませんでしょうか」といった時候の挨拶の中に「盛夏」という夏を表現する季語が含まれています。

そうなってくると「時候の挨拶と季語は違う!」と言い切ると混乱を招いてしまいそうなので、まとめておきましょう。

・時候の挨拶とは、季節や気候を表現する言葉を用いて相手の体調を気遣うものである
・季語とは、俳句では必ず用いらなければならない季節を表現する言葉である
・時候の挨拶の中に季語を用いても問題はない

季語を知ることで、時候の挨拶を考えるときにスムーズに進みそうですね。
せっかくなので、次の項で季語の具体例についてまとめていきましょう。

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季語の具体例

季語は俳句に用いられ、特定の季節を表現する言葉です。

季節を表わすにあたり、単に春夏秋冬だけでなく、各季節においても、初春・仲春・晩春のように「始まり頃」「中頃」「終盤」とで分けられます。
そしてもっと細かく季節を分けると、二十四節気による節切りがあります。
1年間を24等分されたようなイメージですね。

更には、時候・天文・地理・人事・行事・忌日・動物・植物・食物という9項目に分類されるので、季語とひとことで言っても、とても奥が深くなってきますね。

ではここで、季語の具体例を挙げていきましょう。
季節は二十四節気の細かいものではなく、春夏秋冬のシンプルなもので紹介していきます。

季節は「春」 分類は「時候」
 春の宵、彼岸、如月、弥生 など

季節は「春」 分類は「植物
 梅、桜、菜の花、桃の花、草の芽、木の芽、芽吹く など

季節は「夏」 分類は「時候」
 梅雨明け、土用、立夏、小暑、秋近し、卯月 など

季節は「夏」 分類は「人事(生活)」
 花火、日傘、風鈴、浴衣、サンダル、うちわ など

季節は「秋」 分類は「時候」
 秋深し、仲秋、残暑、秋惜しむ、長月、文月 など

季節は「秋」 分類は「食物」
 山葡萄、里芋、松茸、林檎、柿 など

季節は「冬」 分類は「時候」
 年の瀬、年越し、大晦日、小寒、師走、神無月 など

季節は「冬」 分類は「天文」
 初雪、北風、下、木枯らし、流氷 など

こうしてあらためて見てみると、それぞれの言葉に、季節を感じさせる魅力があることがわかりますね。

時候の挨拶の使い方や注意点は?

では次に、時候の挨拶の使い方や注意点についてまとめていきましょう。

時候の挨拶の使い方

手紙の基本的な構成は次のようになります。

1. 頭語 ( 「拝啓」「謹啓」など)
2. 時候の挨拶( 「初夏の爽やかな風が・・・」など)
3. 相手の安否や体調を伺う言葉 ( 「皆様お変わりありませんか?」など)
4. 手紙の本題 ( 「さて、先日は・・・」など)
5. 結びの言葉 ( 「くれぐれもご自愛くださいますよう・・・」など)
6. 結語 ( 「敬具」「謹白」など)

つまり、時候の挨拶は手紙を書く上での、礼儀作法のようなものともいえるでしょう。

頭語と結語に関しては、堅苦しい雰囲気を避けるために親しい間柄での手紙では省くこともありますが、特にマナー違反ではありません。
頭語を省いた場合には、手紙の書き出しが時候の挨拶からとなるわけです。

いずれにしても、その時期に合った季語や天候を用いて時候の挨拶文を作り、相手の安否や体調をうかがう言葉につなげていくととてもスムーズな流れの手紙に仕上がります。

ではここで、この手紙の基本構成に沿って作られた例文を紹介しましょう。
構成「2. 時候の挨拶」から「3. 相手の安否や体調を伺う言葉」につなげていく部分をチェックしてみてください。

<基本の構成に沿った手紙の例文>

拝啓
草木も芽吹き春の訪れを感じられるようになったこの頃、過ごしやすくなった日々に心弾ませております。
皆様もお変わりなくお過ごしでしょうか。
さて、この春の節目にあたり、○○支店へ異動する運びとなりました。
●●支店に在籍中は格別のご厚意を賜りましたことを深く感謝致しますとともに、今後とも変わらぬご指導とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
末筆ではございますが皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。   敬具

時候の挨拶の注意点

 

時候の挨拶の使い方を、手紙の基本構成とその例文とで確認してみましたが、この時候の挨拶には気をつけなければならない注意点が2点あります。
まとめておきましょう。

注意点1:実際の季節感や気候を無視しない

たとえば、夏の時候の挨拶として「猛暑の日が続きますが・・・」というものがあるからといって、安易にそれを利用したものの、その年は冷夏だった!なんていうことになると、形式だけで全く心のこもっていない手紙であるという印象を与えてしまといます。

また、春の時候の挨拶として「満開の桜が美しい季節となりました」という一文を書いたものの、手紙を送る相手が住む地域では、既に桜が散っていたり、まだまだ蕾の段階だとしたら配慮の足らない人だという印象を与えてしまいます。

実際の季節感や気候、相手の住む地域なども考慮した時候の挨拶となるように心がけましょう。

注意点2:新暦と旧暦の“ズレ”を認識した上で使用する

たとえば、ほとんどの地域で7月7日を七夕の日としているのに対して、仙台七夕まつりにあるように8月6日〜8月8日あたりを七夕の日とする地域があります。
これは、月の満ち欠けを基準とする旧暦と、地球が太陽を回る周期を基準とした新暦の違いからなるもので、現代に適応されている新暦と旧暦との間では季節が1ヶ月ほどズレてくるのですが、その新暦と旧暦のどちらを適用したかによるのです。

たとえば、「初夏の候」という漢語調の挨拶がありますが、この漢語調の挨拶は旧暦を適用していた時代に用いられた言葉なので、旧暦での初夏は6月上旬頃までを指します。
現代の感覚では初夏といえば7月を想定してしまいますよね。
この辺りが「新暦と旧暦の“ズレ”」となるわけです。
漢語調の時候の挨拶を用いるときには、この季節感のズレをしっかりと認識した上で使用しましょう。

「〜の候」「〜のみぎり」「〜の折」の意味や違いは?

さて、前項で漢語調の時候の挨拶の話題が出てきました。
せっかくですので、少し詳しくまとめていきましょう。

漢語調の時候の挨拶に対して、口語調の時候の挨拶というものもありますが、その違いや使い方については、次の項で触れていきたいと思います。

まずは、漢語調の時候の挨拶としてよく用いられる「〜の候」「〜のみぎり」「〜の折」の意味や違いについて考えていきましょう。

「〜の候」

「〜の候」の読み方としては「〜のこう」となります。

意味は「待つ」「様子をうかがう」という意味から「観察する」「変化のきざしを見る」という意味として利用されるようになりました。

時候の挨拶で
「立秋の候、いかがお過ごしでしょうか」
と使った場合は、
「季節も秋へと変化のきざしを見せていますが、いかがお過ごしですか?」
という意味合いになるわけですね。

「〜のみぎり」

「〜のみぎり」の意味は、上の「〜の候」をやわらかく表現したもので、同じように季節の変化のきざしを感じたということを表したいときに利用します。
やわらかい表現ということで、昔は女性がよく使っていたと言われています。

「師走のみぎり、お忙しくお過ごしのことと思われますが、お体お変わりありませんでしょうか」
という時候の挨拶であれば、
「いよいよ多忙な年末の時期になってきましたが、お体にお変わりはありませんか?」
という意味合いになりますね。

「〜の折」

「〜の折」には、「〜の場合」というように状況を表現する意味があり
「こちらへお越しの折には」
であれば、
「こちらへお越しになった場合には」
と表現できます。

そして、時候の挨拶を書く上での「〜の折」は、「〜のとき」という「時期」を指す場合に使われることが多くなります。
つまり
「暑さ厳しき折、ご一同様のご健康をお祈り申し上げます」
という時候の挨拶では、
「暑さが厳しい時期(季節)ですが、皆様が健康でありますように」
という意味合いになるわけですね。

以上のことから、「〜候」「〜のみぎり」の使い方は同じで、「〜の折」は少し違った使い方をするということがわかりましたね。

次の項では、これらの漢語調の時候の挨拶と、口語調の時候の挨拶の違いについてまとめていきましょう。

時候の挨拶の漢語調と口語調の違いや使い方は?

時候の挨拶の注意点をまとめた際にも述べましたが、時候の挨拶には「漢語調」のものと「口語調」のものがあり、漢語調の時候の挨拶で用いられる言葉は旧暦を適用していた時代のものなので、どうしても現代の季節感とは少しズレてきます。

だったら新暦で考える口語調の時候の挨拶を用いればいいだけだ!と思うところなのですが、口語調が話し言葉のようなやわらかい表現方法なのに対し、漢語調はより丁寧に感じられる表現方法なので、特に目上の人への挨拶で使いやすくなります。

たとえば、夏の厳しい暑さに相手を気遣うという意味の挨拶を、漢語調と口語調のそれぞれで表現してみましょう。

<漢語調の時候の挨拶>
酷暑の候、皆様におかれましてはますますご繁栄のこととお喜び申し上げます

<口語調の時候の挨拶>
厳しい暑さが続きますが、皆様体調にお変わりなくお過ごしでしょうか。

上の2つを比べてみても、漢語調の挨拶の方が固い表現でビジネス向きであるように感じますね。
反対に、口語調の挨拶は親しさを表現しているように感じます。

ここで注意しなければならないのが、漢語調の「酷暑の候」を使用する時期です。
8月8日頃の立秋を過ぎると使えなくなるので、7月下旬から8月上旬の時期に使いましょう。

まとめ

時候の挨拶は、その表現方法や使う時期などに細やかなルールがあり、奥深く感じますね。
とても繊細で美しい日本の独特な文化の1つだと思います。

漢語調や口語調の使い方の違い、季語の使い方なども正しく知ることで、マナーを心得た素敵な手紙を書いたり、挨拶をすることができそうですね。

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