皆さんはお中元をいただいた後のお礼を、どのような形で伝えていますか?
手渡しでいただいた場合には直接お礼を言うことができますが、近年では宅配という形で届くことがほとんどとなりました。
そしてまた、時代は変化し、お礼の方法も電話だけで済ますことも多くなりました。
場合によってはSNSなどのインターネット手段を用いて伝えることもあるようです。
さすがにSNSで済ますお礼は、せめてごくごく親しい間柄だけであってほしいと願う私はもう古臭いのでしょうか・・・汗
いずれにしても、最もマナーのあるお礼の方法は「お礼状を書く」ことです。
電話で無事に届いたことの一報を入れた後に、あらためてお礼状を書くことができれば、マナーのある大人の振る舞いができるというわけですね。
そのお礼状の書き方のポイントは、冒頭に時候の挨拶を持ってくるということです。
後に続く文章もスマートにながれますし、結びの挨拶もそれに合わせて書くことでテンポの良い文章に仕上げることができます。
そこで今回は、お中元のお礼状で使える8月の季語(上中下旬別)を使った時候の挨拶とそれに合う結びの挨拶の例文を、個人宛てのもの、ビジネス向けとに分けて紹介していきましょう!
目次
お中元のお礼状に使える8月上旬・中旬・下旬の季語は?
俳句を詠む上では、必ず季節を表現する言葉である「季語」を用います。
お礼状を書く際にも、この「季語」を使った時候の挨拶を冒頭に持ってくると、季節の風物詩であるお中元のお礼にぴったりの内容となります。
細かく分ければ、二十四節期に基づいて節切りされるのですが、今回は8月上旬・中旬・下旬というシンプルな区切りにして、それぞれの季語を紹介していきましょう。
お中元は、8月15日までに贈るというルールがあるので、多くの場合、そのお礼状も8月上旬または中旬に送ることが多くなるとは思います。
ですが、15日前後にいただいて、お盆などの行事でバタついているうちに返礼が8月下旬になってしまった!という場合には、8月下旬の季語を使ってくださいね。
お中元をいただいた時期ではなく、お礼状を届ける時期を主にしてください。
<8月上旬の季語>
残暑 立秋 ひまわり 熱帯夜 蝉時雨 夏休み 炎暑(8月7日の立秋まで)
<8月中旬の季語>
残暑 避暑 納涼 新涼 土用明け 朝顔 お盆 海 山
<8月下旬の季語>
残暑 晩夏 処暑 秋暑 向秋 暮夏 赤とんぼ ヒグラシ
※6月、7月の季語と時候の挨拶に関してはこちらの記事も参考にしてください。
【個人宛て】お中元のお礼状に使える8月上旬・中旬・下旬の時候の挨拶&結びの例文
では早速、上の季語を用いた時候の挨拶と、それに適した結びの例文を見ていきます。
まずは、個人宛てのお中元のお礼状に使えるものを8月上旬・中旬・下旬に分けていますので、該当する時期のものを参考にしてくださいね。
また、最後に、お礼状全体の例文も挙げているので、併せて参考にしてください。
8月<上旬>の季語を使った個人宛てお礼状に合う時候の挨拶と結びの例文
<時候の挨拶>
立秋とは名ばかりの暑さが続いていますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
<結びの挨拶>
寝苦しい夜が続いております。くれぐれもお体をお大事になさってください。
<時候の挨拶>
大輪のひまわりの花が青空によく映える季節になりました。皆様お元気でお過ごしですか。
<結びの挨拶>
まだまだ厳しい暑さは続くようですので、くれぐれもご自愛くださいませ。
8月<中旬>の季語を使った個人宛てお礼状に合う時候の挨拶と結びの例文
<時候の挨拶>
土用明けといえど、まだまだ暑さ厳しい毎日が続きますが、ご体調はいかがですか
<結びの挨拶>
海に山にと思いを馳せる季節です。お元気にお過ごしくださいませ。
<時候の挨拶>
蝉時雨のにぎやかなこの頃、
皆様におかれましてはお変わりなくお過ごしのことと思います。
<結びの挨拶>
残暑が身にこたえる毎日ですが、どうぞご自愛くださいませ。
8月<下旬>の季語を使った個人宛てお礼状に合う時候の挨拶と結びの例文
<時候の挨拶>
残暑がこたえる毎日に、涼しい季節がより一層待ち遠しくなりますね。
<結びの挨拶>
暑さも彼岸までと申します。もうしばらく夏を楽しみながら、元気にお過ごしください。
<時候の挨拶>
赤とんぼの姿に、暑さを忘れるこの頃です。みなさまいかがお過ごしですか。
<結びの挨拶>
朝夕に少しの秋の気配を感じるようになりました。日中の暑さもしばらくの辛抱と思ってお体大事にお過ごしくださいませ。
【個人宛て】お中元のお礼状例文
上の時候の挨拶&結びの挨拶の例文の中から、8月上旬のものを使って個人宛てのお礼状(全体)の例文を作ってみました。
参考にしてください。
頭語(拝啓)や結語(敬具)に関しては、省いてもマナー違反ではありません。
下の例文では、親しい間柄であったりカジュアルな内容に仕上げたいということで省いてみました。
※カッコはお礼状の基本構成としての説明です
<個人宛てのお中元お礼状例文>
(時候の挨拶や相手の近況を伺う言葉)
大輪のひまわりの花が青空によく映える季節になりました。皆様お元気でお過ごしですか。
(自身の近況報告)
こちらでは、子供たちが夏休みで騒がしく、なかなかひと息つく暇もないほどにぎやかに過ごしております。
(お中元の品のお礼や感想)
さて本日、お中元の品が届きました。ありがとうございます。
早速、明日のお昼のメニューに素麺流しをしたいと子ども達も大喜びしております。
相変わらずの心配りに本当に感謝のきもちでいっぱいです。
(結びの挨拶)
まだまだ厳しい暑さは続くようですので、くれぐれもご自愛くださいませ。
まずは書中にてお礼申し上げます。
※個人宛てのお中元のお礼状例文はこちらの記事も参考にしてください
【ビジネス向け】お中元のお礼状に使える8月上旬・中旬・下旬の時候の挨拶&結びの例文
次に、ビジネス向けのお中元のお礼状に合う時候の挨拶と結びの例文を、上旬・中旬・下旬の季語ごとに紹介していきます。
ビジネス向けの時候の挨拶の大きなポイントは、「候」「みぎり」「折」といったいわゆる漢語調の言葉を用いて、少し難しい表現をすることで、なんとなく固い雰囲気を作るといったところでしょうか。
もちろん、漢語調でなくても、文章そのものがキレイであればマナー違反ではありません。
冷夏の年に「猛暑ですね」と語る方がマナー違反となりますので、季語の使い方には十分に注意しましょう。
※漢語調・口語調の説明についてはこちらの記事を参考にしてください
8月<上旬>の季語を使ったビジネス向けのお礼状に合う時候の挨拶と結びの例文
<時候の挨拶>
炎暑の候、ますますご活躍のこととお慶び申し上げます。
<結びの挨拶>
残暑しのぎ難き折、
皆様のご健勝とご自愛をお祈り申し上げます。
<時候の挨拶>
立秋の候、貴社におかれましては益々のご発展のこととお慶び申し上げます。
<結びの挨拶>
暑さ厳しき折、貴社のご活躍と皆様のご健勝をお祈り申し上げます。
8月<中旬>の季語を使ったビジネス向けのお礼状に合う時候の挨拶と結びの例文
<時候の挨拶>
残暑なお厳しき折、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
<結びの挨拶>
この度のご厚情に深く感謝いたしますとともに、皆様の益々のご活躍を祈念いたします。
<時候の挨拶>
納涼の候、貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。
<結びの挨拶>
末筆ながら、貴社の一層のご発展とご活躍をお祈り申し上げます。
8月<下旬>の季語を使ったビジネス向けのお礼状に合う時候の挨拶と結びの例文
<時候の挨拶>
処暑の候、貴社ますますご壮健のこととお慶び申し上げます。
<結びの挨拶>
初秋の風を感じるこの頃、
貴社のますますのご発展と皆様のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
<時候の挨拶>
暮夏のみぎり、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
<結びの挨拶>
残暑の続く折柄、
皆様のご健勝とご自愛をお祈り申し上げます。
【ビジネス向け】お中元のお礼状例文
では、上の時候の挨拶&結びの挨拶の例文の中から、8月上旬のものを使ってビジネス向けのお礼状(全体)の例文を挙げてみましょう。
参考にしてください。
※カッコはお礼状の基本構成としての説明です
<ビジネス向けのお礼状例文>
(頭語)拝啓
(時候の挨拶や相手の近況を伺う言葉)
立秋の候、貴社におかれましては益々のご発展のこととお慶び申し上げます。
(お中元の品のお礼や感想)
さて、この度は結構なお中元のお品を頂戴いたしまして、誠に有難うございました。
日頃から貴社のお心使いには感謝し尽くしても足りないくらいです。
今後も変わらぬご愛顧を賜りますようお願いいたします。
(結びの挨拶)
暑さ厳しき折、貴社のご活躍と皆様のご健勝をお祈り申し上げます。
略儀ながら書中をもちまして御礼とさせていただきます。
(結語)敬具
まとめ
時候の挨拶では、必ずしも上旬・中旬・下旬を意識した季語を使わないといけないというルールはありません。
ただ、たとえば「晩夏」という季語を8月上旬に用いるのは少し早いように感じられます。
明らかに時期がズレているような表現をしないように意識することは必要です。
そのためには、今回紹介したような季語や挨拶例文を参考にしながら、時期やお住いの地域の気候・気温に合ったものを参考にして、違和感のないお礼状に仕上げたいものですね。
最後に、8月の時候の挨拶のポイントをまとめておきましょう。
これで今年のお中元のお礼は安心ですね。
<8月の時候の挨拶のポイント>
・秋の訪れを感じさせる表現をしつつも、残暑の厳しさによる体調の配慮をする
・立秋(8月7日)までは暑さの盛りを表現しても問題ない
・相手側の地域の季節感がわかりにくい場合は8月全般に使える「残暑」を用いる
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