お中元は、親しい人やお世話になった人への感謝を伝えるための贈り物。
しかし、贈る時期は日本全国同じではありません。
私が住む地域では、一般的には8月上旬頃が目安となっているのですが、期間が長いところでは7月からお盆までの間に贈るという地域もあるようですね。
いずれにしても、お盆明けの8月16日以降に届いてしまうと、残暑見舞いの扱いになるので注意しなければなりません。
さて、このお中元には贈る側の悩みもさることながら、いただいた側にもちょっとした悩みが発生します。
それは、お礼状の書き方です。
お礼状の冒頭で使う「時候の挨拶」によく合う季語を知り、マナーのある素敵なお礼状を書いてきちんとした大人の振る舞いをしたいものですよね。
そこで今回は、特に関東圏で多いといわれる7月のお中元シーズンに合わせて、7月上旬・中旬・下旬の季語を使った時候の挨拶とそれに合う結びの例文を紹介していきたいと思います。
個人宛てのお礼状、ビジネス向けのお礼状とに分けて紹介しますので、ぜひ、参考にしてくださいね。
目次
お中元のお礼状に使える7月上旬・中旬・下旬の季語は?
お礼状を書くときには、冒頭に時候の挨拶を置くことでその後の流れがスムーズになります。
時候の挨拶は季節や気候を表す言葉を用いて作りますが、この季節を表す言葉である「季語」はその時期に応じたものを使わなければなりません。
「季語」は、本来は俳句で季節を表現する際に用いられる言葉です。
対して時候の挨拶は、必ずしも季節を表す「季語」を含む必要はなく、「雨が続く」だとか「暖かくなってきた」といった気候の状態を用いても問題ありません。
ですが、「雨が続く」を「梅雨という季語」にしたり、「暖かくなってきた」を「春を表す季語」にすることで、とてもきれいな時候の挨拶文が完成します。
では7月の季語はどうなっているのでしょうか?
お中元のお礼状に使えるものを、上旬・中旬・下旬別に見ていきましょう。
<7月上旬の季語>
梅雨明け 仲暑 小暑 七夕 天の川 海開き 山開き 睡蓮<7月中旬の季語>
盛夏 極暑 大暑 猛暑 夏休み 夏祭り 海水浴 朝顔
<7月下旬の季語>
酷暑 炎暑 灼熱 夕立 熱帯夜 花火 蝉の声 ひまわり 夏本番
次の項ではこれらの季語を使った時候の挨拶と結びの例文を紹介していきますが、個人宛てのお礼状とビジネス向けのお礼状とで、ちょっと言い回しを変えるだけで雰囲気が違ってくるのも面白いですよ。
※6月にお礼状を書きたいという場合には、こちらの記事も参考にしてください。
【個人宛て】お中元のお礼状に使える7月上旬・中旬・下旬の時候の挨拶&結びの例文
まずは、個人宛てのお礼状に使える時候の挨拶について、7月上旬・中旬・下旬のそれぞれの季語を使った例文を紹介していきましょう。
それに合う結びの挨拶も参考にしてくださいね。
【7月上旬】個人宛てのお礼状に合う時候の挨拶と結びの例文
時候の挨拶
梅雨明けの暑さが厳しいこの頃ですが、皆様お変わりございませんか?
結びの挨拶
暑さはこれからが本番のようです。体調を崩されませんようお気をつけてお過ごしください。
時候の挨拶
夜空の天の川がきれいに見える季節になりましたが、皆様お元気にお過ごしですか?
結びの挨拶
本格的な夏を迎え寝苦しい日が続きますが、どうぞお体お大事にお過ごしくださいませ。
【7月中旬】個人宛てのお礼状に合う時候の挨拶と結びの例文
時候の挨拶
朝顔の花が青空によく映えて、爽やかな気持ちになります。ご家族の皆様は変わらずお過ごしですか?
結びの挨拶
これからも猛暑が続くようです。ご家族の皆様のご健康をお祈りいたします。
時候の挨拶
子ども達が夏休みに入り、にぎやかな毎日となりました。そちらではどのような夏をお迎えですか?
結びの挨拶
まだまだ暑さは続くようですので、くれぐれも体調を崩されませんようお元気にお過ごしください。
【7月下旬】個人宛てのお礼状に合う時候の挨拶と結びの例文
時候の挨拶
蝉の声に一層の暑さを感じるこの頃ですが、お変わりなくお過ごしですか?結びの挨拶
炎天下の毎日が続きますが、夏バテなどなされませんようお体には十分にお気をつけください。
時候の挨拶
いよいよ夏本番となりました。○○様やご家族の皆様はお元気にお過ごしでしょうか。
結びの挨拶
熱帯夜の寝苦しさが身体にこたえる毎日ですが、くれぐれもお体にお気をつけて素敵な夏をお過ごしください。
天の川や朝顔、蝉の声などの夏ならではの自然を表す言葉を使うと、とても綺麗な挨拶文になりますね。
また、個人宛てのお礼状では、口語調と言われる少しカジュアルな表現をすることで、親しみを感じさせる挨拶になります。
対して、次項で紹介するビジネス向けのお礼状では、漢語調と言われる少し固めの表現を用いた時候の挨拶を作ることで、礼儀あるお礼状に仕上がります。
例文を参考にしながら個人宛てとビジネス向けの違いを比較してみてください。
※口語調、漢語調の違いについてはこちらの記事を参考にしてください。
【ビジネス向け】お中元のお礼状に使用できる7月上旬・中旬・下旬の時候の挨拶&結びの例文
では次に、ビジネス向けのお礼状に使える時候の挨拶とそれに合う結びの挨拶を紹介していきましょう。
個人宛てと同様に、7月上旬・中旬・下旬のそれぞれの季語を使った例文となっていますので、時期に合わせて参考にしてくださいね。
【7月上旬】ビジネス向けのお礼状に合う時候の挨拶と結びの例文
時候の挨拶
梅雨明けの候、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
結びの挨拶
末筆ながら、○○様(貴社)の一層のご発展とご活躍をお祈り申し上げます。
時候の挨拶
七夕のみぎり、ますますご活躍のこととお慶び申し上げます。
結びの挨拶
皆様のご健康とご多幸をお祈りいたします。
【7月中旬】ビジネス向けのお礼状に合う時候の挨拶と結びの例文
時候の挨拶
盛夏の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
結びの挨拶
暑さ厳しき折、皆様どうぞご自愛くださいませ。
時候の挨拶
猛暑のみぎり、皆様には益々のご活躍のことと存じます。
結びの挨拶
末筆ながら、皆様のご健康と一層のご繁栄を心よりお祈り申し上げます。
【7月下旬】ビジネス向けのお礼状に合う時候の挨拶と結びの例文
時候の挨拶
酷暑の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
結びの挨拶
暑さも厳しくなります折、
皆様の一層のご健勝と貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。
時候の挨拶
灼熱の候、貴社におかれましてはご盛栄のこととお慶び申し上げます。
結びの挨拶
酷暑のみぎり、皆様のご健勝とご自愛をお祈り申し上げます。
ビジネス向けのお礼状を書く際に気を付けておきたいことは、時候の挨拶と結びの挨拶で同じ言葉を使わないようにすることです。
例えば、時候の挨拶で
「酷暑の候、ますますご活躍のこととお慶び申し上げます」
とした場合に、
結びの挨拶を
「○○様のますますのご活躍をお祈り申し上げます」
と同じ言葉を使ってしまうと、ただ思いついた言葉を並べただけだな、と感じられてしまいます。
先に活躍を喜ぶことを言っているのであれば、結びでは
「ご健勝をお祈りします」「ご多幸をお祈りします」「益々のご繁栄をお祈りします」
といった違う意味の言葉を用いるようにしましょう。
ビジネス向けの固い言葉は難しい用語がたくさんあるので、1つ1つの意味をしっかり確認した上で、時候の挨拶と結びの挨拶のバランスを考えることが大事ですね。
まとめ
いかがでしたか?
7月の時候の挨拶のポイントは、夏本番を迎える時期なので暑さで体調を崩さないように!という気づかいをすること、そして夏らしい季語で季節感をたっぷり出すことです。
また、今回はお礼状全体の例文は紹介していませんが、お中元のお礼状の構成として、時候の挨拶の後に、いただいた品に対する感想や感謝の気持ちを述べる必要があります。
時候の挨拶から感想、感謝の気持ちへとスムーズに流れるような文章を心がけると、マナーのあるお礼状に仕上がるでしょう。
※お礼状の全体の例文はこちらの記事を参考にしてください。
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